Sustainability
2026 年の環境包装コンプライアンス:PPWR、EPR と買い手が備えるべき書類
EU 包装・包装廃棄物規則が輸入者に実際に求めていること、そして供給者に要求すべき書類。
Compliance Team9 min read

包装の環境対応は、マーケティング上の主張から法的義務へ移りました。EU または英国へ輸入するなら、いまや必要なのは形容詞ではなく書類です。
本稿では実務で何が求められているかを整理し、発注前にどの包装供給者にも要求すべき具体的な書類を挙げます。
リサイクル適性は意図ではなく設計で判定される
規制当局が見るのは、既存の設備で大規模にリサイクルできるかどうかであって、理論上リサイクル可能かどうかではありません。プラスチックフィルムをラミネートした紙箱は、両素材が単独ではリサイクル可能であっても、この判定でたいてい落ちます。
実務上の帰結はモノマテリアル化です。板紙に水性コーティング、ポリエステルの代わりに紙リボン、プラスチック製の留め具の代わりに紙製の差し込み。
供給者に要求すべき書類
生産後ではなく見積段階で求めてください。サンプル発注の段階で出せない供給者は、本生産でも出せません。
- FSC または PEFC の CoC 証明書。有効期限内で、当該注文を対象範囲に含むもの
- 部材ごとの再生材含有率(重量比)
- コーティングと接着剤を含む全成分を列挙した材質構成表
- 該当する場合の食品接触適合宣言書(EU 1935/2004、FDA)
- 耐油バリア板紙についての PFAS 不使用証明
- 仕向地の選別インフラを前提としたリサイクル適性評価
コストの実際
モノマテリアル構成が自動的に高くつくわけではありません。ラミネートをやめれば工程が 1 つ減り、水性コーティングはフィルムより安く済みます。コストが上がるのは脱プラスチックの緩衝材で、EVA の抜き加工には不要なアルミ型がモールドパルプには必要になるためです。
この 2 年で切り替えた案件全体では、正味の影響は 3 % の削減から 8 % の増加までの範囲に収まっており、増加分は緩衝材の比重が大きい電子機器とガラス製品の包装に集中しています。
出遅れている場合、どこから着手するか
まず数量上位 10 品番を点検してください。EPR 費用の負担はそこに集中しています。フィルムラミネートを水性ニスに替え、ポリエステルリボンを紙に替え、板紙を FSC 認証品にする。この 3 点だけで、構造を設計し直すことなくリサイクル適性審査を「不合格」から「合格」に動かせるのが通常です。



